ああああのブログ

相場とか哲学の殴り書き。

心の特徴について

 人間のメンタルは脳だけではない。

脳は意識的である。手を動かしたり、計算したり、記憶したり。

体の器官で、意識的に制御できるものと無意識的に動いているものがある。

例えば胃は無意識的に動いている。意識的に動かすことは出来ない。

脳によって意識的に制御できるものを知性によるものと言うとするなら、

無意識的に動いているものは本能によるものと言えよう。

胃などがストレスで調子が悪くなるときがあることはよく知られている。

ストレスとは何だろう。なぜストレスで本能的に動いている機能が鈍るのだろう。

 

生物の歴史を長い目で見てみると、いくつかのトレンドがあると私は思う。

まず、生物と無生物が決定的に違うのは活動できるかどうかだ。

次に、生物は進化するごとに美しくなっているということだ。

深海の原始生物と新しい種である鳥や哺乳類、その間の生物を比べれば

生物が徐々に美しくなっていることは傾向として認められると思う。

次に、創造的に進化しているということだ。

進化するごとに、それまで出来なかったことが可能になっている。

 

活動、美、創造。この3つは生物としてのトレンドと私は考える。

そしてストレスとは、このトレンドから外れたときに感じるものであると経験的に思う。

例えば、これは経験済みなのだが無職でゴロゴロしているとしよう。

これが意外と退屈で死にそうになるのだ。人は活動していないと駄目になる。

無職でもいいから何かしなければならないのだ。

ブラック企業で働くとしよう。毎日が単調で何のためにやってるかわからない。

ただ生きるためにお金を稼ぐ毎日。なんのための人生だろう。

非創造的な日常はストレスである。

(仕事が単調でも趣味や家庭で創造的要素を補っている人も多いだろうが)

次に、美であることだが何も外見の美しさに限らない。

「我」の上に「美」を置いて「義」と書く。

私欲を後にして世に貢献した人を涼やかであると評するのは昔からの人の習性であろう。

まぁバランスだがあんまり私欲を追求する人は汚いと言われる。

 

 

この3つのトレンドに反することがストレスとなり、本能で動いている器官を蝕んでしまう。

わかりやすく、本能=心であると言っていいと思う

ストレスは心をむしばむ。メンタルを病む。

経験的にわれわれはこれを知っていると言っていいだろう。

 

ジェシー・リバモアという相場師でそれを説明してみようと思う。

 

彼は空売りの達人で、徒手空拳で億万長者に成り上がった。

豪邸に運転手付きの車、袋いっぱいの宝石。

彼の奥さんと共に毎夜パーティ三昧で酔っ払っていたという。

が、このような生活は生物のトレンドの観点から見ていかがなものであろう。

創造的だろうか?活動的だろうか?美だろうか?

バモアはまだトレーダーとしての仕事をしているからまだマシであるが

奥さんと息子は何不自由なく、遊んで暮らした。

こういう生活は、生物としてのトレンドに逆らっているのである。

ある日、双方酔ったあげく奥さんは息子を銃で撃ってしまったという。

 

 

母親が放蕩する息子をたしなめたところ、逆上した息子は自分を撃つようピストルを母親に渡したという。

こういう事件が、心の底から満足している生活の上から発生するだろうか?

遊びもほどほど必要だが、遊んでばかりの生活は空虚である。

 

が、一方でこのような生活にすっかり満足してしまうのが脳なのである。

先に記事にしたように脳は道具の製作に伴って発達したため(という説を私は採った)

物質をなるたけ多く欲しがる傾向もあるのだ。

脳は満足しているが、心は不満。

このようなメンタルのもつれ合いが起こるとどうなるか。

ひどい場合は文字通りの精神分裂症となるのである。

脳と心の分裂を文字通り分裂症というのだ。

(今は統合失調症というが要するに脳と心の統合が失調しているということだ)

 

このような家庭状態でリバモアもまたメンタルが不調になり、トレードでも失敗し自殺してしまう。

トレードで失敗したから自殺したわけではない。

家庭由来の、ひいては家庭を作ってきたリバモアが生物のトレンドに逆張りしてしまったことが原因で自殺したのであった。

 

映画監督の宮崎駿は、今は神経症の時代であると言ったことがある。

その通りである。人々は物質的繁栄ばかりを求め、生物のトレンドから外れ、苦しんでいる。

 

トレードは、健全なメンタルで行わなければならない。

脳の計算能力、心の直観をどうして不安定なメンタルで運用できるだろうか。

生物のトレンドに順張りでなければいけない。それが心の健康を保つ方法なのだ。

偉そうなことを書いたが、自分は相場歴1年かそこらである。

口ばっかりで退場することのないよう、気をつけたいものだ。

次の記事は、直観のことか、感情を書きたいと思う。

 

参考 リチャード スミッテン 「世紀の相場師ジェシー・リバモア」