ああああのブログ

相場とか哲学の殴り書き。

進化から見た脳の特徴

 メンタルコントロールは相場において最も重要なことの一つとよく言われている。

そもそもメンタルとは何なのか?

この問いは、これから相場に限らず需要が出てくるのではないかと思いけっこう時間をかけて調べている。

ツイッターのみなさんには色々勉強させてもらったりツイッターボットなどでお世話になっているので

今から書くことが役に立とうが立つまいが、お礼の姿勢くらいは見せなければなという気持ちでブログに書こうかなと思った

 

 

 

 まずは、脳の特徴から書いてみようと思う。

(メンタルとは脳だけではない。それは、後で書こうと思う)

 

言うまでもなく人間の脳は、他の動物より優れている。

なぜ、優れた脳を持ったのか。

それはいくつもの仮説はあるが、これだなと思った説を書いていこうと思う

それは、「人間の脳は道具の製作によって発達した」というものである。

狩猟や採集で脳が発達するなら他の動物も人間と同じくらい頭が良くなるはずだがそうはなっていない。

人間だけが、道具を製作できる。

道具を製作するには材料の重さや長さの計算をしなければならない。

作り方を記憶しなければならない。

こうした計算や記憶の訓練で脳は発達したのだという説は受け入れやすいのではなかろうか。

私が面白いなと思った説は、さらにこう続ける。

「人間の脳は道具の製作によって発達した。

したがって、脳は物質や固定した状況の扱いに長けている。

しかし、生物や流動的な状況の扱いは不得手である。

それどころか、生物や流動的な状況をも物質や固定的な状況として捉えてしまう」

 

これはどういうことか一言で言えばこうだ。

「脳は固定概念を作り続けてしまう」

この脳の特徴は道具の製作においてはまったく問題にならない。

石や材木は少なくとも道具の製作においてずっと石や材木であり続けるからだ。

1+1は永久に2である。

記憶とは、物事を固定化させているのだ。

が、これが生物や流動的な状況となると問題になってくるの。

 

例えば、子供のころ帰省などで会った親戚にこう言われたことはないだろうか

「大きくなったね!」

親戚の人の記憶の中では子供は以前に会った小さい子供のままで、ずっとそうであり続けるという固定概念を持ってしまっているのだ。

石がずっと石であり続けるように。

 

相場でよくあると思われるパターンで例えてみよう。

強烈な下落相場が何ヶ月も続いたとする。

すると、人の頭脳はこう判断するのだ。“今は下落相場だ”

これが道具の製作なら都合が良いのだ。

材料の石や材木はずっと石や材木であり続ける。

材料の組み立て方や材料の長さ・重さなどを記憶しておけばいい。

固定概念が記憶に役立つのである。

1+1=2に決まっている。

そういう決まりきった記憶の積み重ねが脳は得意なのだ。

これが相場だと邪魔になってくる。

“今は下落相場だ”という固定概念をもってしまえばどうなるだろう。

上昇相場に転じても空売りをしてしまう。

そんな簡単な罠にひっかかるかと思われるかもしれないが

実際そうだったのである。

今年(2019年)のBTCがそうだった。

6000ドルのサポートを割って3000ドルにまでほんの1ヶ月ほどで下がってしまい、

その後3ヶ月ほど下値でウロウロしていた。

ようやく上昇に転じて4000ドル以上に上がったとき、

多数の人は局面で空売りを仕掛けた。

下落相場は続いていると判断したのだろう。

私も下落相場が続いていてたまたま反発しただけだと思っていた。

下落相場だという固定概念に囚われていたのだ。

今から見てみれば明らかに上昇相場である。

が、当時上昇相場だと思ってロングしていた人の割合は少ないことが

出来高の多いBitMEXの相対的なロングショート比率から見て明らかだ。

これが、固定概念というものの怖さだろう。

 

脳は物質を取り扱うことは得意だが、非物質を取り扱うとき

それを物質であるかのようにしてしまう。

流動的な状況を、固定的に考えてしまう。

例えば石はずっと石であると考えるように下落相場はずっと下落相場だと思い込むのだ。

これが脳の弱点的特徴だ。

 

 そう書いておいて早速、自分が空売りで焼かれてしまった。

BTCはゴミに違いない、下落相場は続行するに違いない。

こうした固定概念が期待値の計算を狂わせてしまったり、

上昇のサインを見逃したり、大したサインではないと判断してしまう。

 

 もう一つ自分のやらかし例を書いてみる。

それは、もしや自分には才能があるのでは?と思ってしまったときだ。

そのときは大儲けしていて、調子に乗っていたのだ。

もし、自分に才能があるという固定概念を持ってしまったらどうなるか。

いつもやっている努力や注意を怠り、結果油断や慢心となって雑なトレードをしてしまうことになる。

そうして、儲けたお金を吐き出してしまった。

本当に才能のある人は謙虚である。天狗になったりせず日々の努力を欠かさない。

 

相場以外の例えも出してみよう。

新しい道具を使い始めるのはいつの時代でも若者である。

老人ほど、新しい道具を使うどころか批判的な目で見るか、無視する傾向がある。

例えば鉄砲がそうだろう。

鎌倉以来の古い家ほど鉄砲に鈍感で、新興の織田信長などは鉄砲をいちはやく軍備に取り入れた。

こういう現象はなぜ起こるかも脳の特徴で説明できる。

年をとっているというのは経験が豊富だということだ。

言い換えれば、記憶・固定概念を豊富にもっているということである。

それに対し若者は経験が少ない。だから、固定概念も少なく新規の物を取り入れやすいのだ。

今となってはなぜ戦国の大名すべてが争って鉄砲を取り入れなかったのかと言うのは簡単だ。

古い家ほど固定概念に囚われ、新興の国は固定概念に囚われていない。

が、みずからの固定概念を破るというのはなかなか難しいものだ。

訓練をするか、あるいは固定概念を捨てざるを得ない状況に陥った者でなければならないだろう。

 

以上述べたことはあくまで仮説をもとにしている。

今更、人間の脳がどう発達したかさかのぼって調べるのは不可能だし、

そういう化石なんかも無いだろう。

が、経験的にこれは正しいなと私は思ったのでつらつらと書いてみた。

 脳の弱点をはっきり認識していることと認識していないのではけっこう差が出るのではないかと思う。

自分は才能がある(ない)、これは上昇(下落・レンジ)相場に違いない、などこのような固定概念はトレードしていく上で大変な罠である。

だからこそ、上級者は口癖のように素早い損切やストップロスの設定を推奨するのだろう。

脳の構造上、流動的な状況を判断するということは間違って当然と考えられるのである。

だから、間違ったときの損を小さくする工夫をしなければならないということだ。

 

この脳の特徴は、今から何十年も前に出版された本で提唱され世界の名著シリーズなどにも収録されているほどだが未だ社会通念になっていない。

その理由の主なものは、現代が科学的裏付けのないものは信用しないという傾向にあるからなのではなかろうか。

科学的裏付けとは、物質や数字による根拠のことである。

このことは逆に、上で説明してきた脳の特徴を裏付けるものとも考えられる。

脳は、何もかもを物質的に扱う。

この特徴がまさに、科学万能主義にさせてしまうのだ。

物質や数字で表せないものは、無いと考える。

これは私は現代の盲点であると思っている。

一つ例を出すが、心は存在するだろうか?

心の存在に科学的裏付けは無い。物質にも数字にもあらわせない。

だから、心は無いのだろうか?

 

科学万能主義は通用しない場面があると私は考える。

が、科学万能主義という常識を捨てることも勇気のいることだと思う。

しかし、未知の探究が面白い。そんな気分で書いた。

 

次の記事は、心の特徴を書きたい。

メンタルとは脳であるという風潮がある。

脳を分析すればメンタルがわかる、と。

私はそう思わない。脳と心である。

 

ベルクソンという人の創造的進化という著書の中の説を参考にした)